【団子】介護士はなぜ、上司や他部署から、悪口を言われやすいのでしょうか?
他の業界と比べても、明らかなほど上司や他部署(相談員や看護師)から、一方的に注意というより、悪口を言われているシーンをよく見るし、そのような状況だったということが耳に入ってきます。
ここでは、介護士が上司や他部署に悪口を言われやすい理由について、私が10年間施設内で働き、目で見て、肌で感じた内容を記載していきます。
それぞれの職員が持っている『介護感』
介護感は大事
介護士、介護職を経験すると、なんとなく分かると思いますが、
「こうすればいいにになぁ」
「なんで、ああいう言い方なのかなぁ」
など、悪口とまではいきませんが、周囲の介護士の仕事が、無意識的に気になっていることがあります。
(よその施設に対して、違和感を持ちやすいのがまさにコレ!)
自分なりの『介護感』を持っている証拠です!
初めに言うと、この介護感を全く持ち合わせていない!となってしまうと、発言を求められても
「わかりませ〜ん」
という返答になってしまい
『やる気だしてください!』
ということになってしまいます。
【団子】
どんな仕事でも、「こうしていこう!」と自分の中で決めるのは大切なことです。
自分の介護感に対して、入居者、利用者が千差万別すぎる!
自分がこれが正しい!と考えをもっても、入居者さんも1人だけでは無いですし、認知症のある方は、認知症の無い方より、1日1日に波が激しくあります。
【団子】例えば、敬語一つをとっても、
「敬語は必ず使うべき!」
「敬語を使わない方が不安を聞き出しやすい!」
このように介護士でも意見が分かれたとします。
【団子】この意見に対して、
入居者Aさんは、普段は敬語で接する職員に対して、誠意を感じ、好感を持っていたとしても、翌日には認知症からの記憶力低下で、帰れない理由がわからず混乱していて、話しやすい人を探している
こんな状況だったとしたらどうでしょうか?
そうです!どっちの介護感も間違っちゃいないし、正しい訳でもないのです!
じゃあ、介護士が上司や他部署に悪く言われるのはなんで?
上司の介護感と合わないと「それはおかしいよ」となりやすい業界だからです!
普段は「臨機応変に対応しましょう」と、みんなで話合っていても、介護業界はマニュアルの整備が義務化されています。
マニュアルに「臨機応変に!」と書くなら、マニュアルなんて無くていいということになります。
マニュアルが管理者や介護主任などで作成されれば、マニュアルからずれた対応は『悪いもの』という扱いにされ安くなるのです。
【団子】これが『介護士が上司から悪く言われやすい』主な原因です。
老人ホームは組織として成り立ちにくい。結果、介護士への悪口へ。
「ダメなら他の職場に行けばいい」教育してもすぐ退職の可能性
必ずしも悪いことではありません!
本当に合わない職場なら、手軽に別の施設で介護に再度向き合えるというのは、介護業界のメリットとも言えます。
ただし、教育という面からいうと、これはかなりのデメリットです。
先程述べた通り『介護感』は様々でいいのですが、施設の理念やその時の目標がバラバラではいけません!
介護感が違えど、良い方向に足並みを揃えて向く!
会社として大事です!
そのために教育をするにしても
職員の入職、退職が激しく、足並みが揃いかけたと思うと、退職者が出て、よその施設からまた入職してくる。
そのようなことが起こりやすい業界なのです。
そうすると
「あまり厳しい教育は退職に繋がる」
「今は人手不足だから、退職は絶対に避けたい」
という考えが生まれます。
結果的に、本来は「対人の仕事」しかも、「要介護者」という、難しい立場のお客さんを相手にする職業であるにもかかわらず、統率がとりにくい状況が生まれるのです。
悪循環
当然、どこの施設でも教育、研修はやってはいるでしょうが、一般企業、一流のサービス業と比べると、先ほどの人手不足からの悪循環でとても緩いものになります。
さらに悪循環は続き、緩い教育しか受けていないのにもかかわらず
「あのやり方はおかしい!」
「あの人変だよ!」
っと悪く発展していってしまうのです。
できないやつ!と介護士に対して悪く言うだけでは逆効果
上記の内容の悪循環の犠牲者となっている介護職員に対して、介護主任など、指導の立場にいる人や、ご意見番の看護師さんは
「できてない!できてない!」
と表でも裏でも言い続けるというような場面はよく目にします。
これが逆効果!
ラベリング効果で悪循環
心理学で「ラベリング効果」というものがあります。
普段から良く言われていると、「そのようにならなくてはいけない!」と、言われている内容に近づく。
また、悪く言われていいれば、「自分はそんなものなんだな」と、悪くなってしまう
というように、ラベルを貼られるとそのようになっていく。というものです。
つまり、介護業界は、
人手不足→退職されると困る→まともな教育ができない→何が悪いのかわからない→上司に「できてない!」と注意される→ラベリング効果で「自分はそんなもの」と思い込む→できない状態に陥る
というような悪循環が生まれてしまうのです。
どう注意する?
まず、注意しないというのは間違っているので、できていない事があれば、かならず注意は必要です。
その時は「できていない」ことだけを並べないで伝えてみましょう。
例
落ち着いて仕事ができないAさんに対して
「落ち着きがなさすぎる!」 → 「初めの頃よりだいぶ落ち着いてきてるね?もっと落ち着いて仕事していいくらいだけど、もう少し慣れれば大丈夫そうかな?」
こうのように、内容は伝えるけど、落ち着いてきている!ということを意識させてみましょう。
【団子】(悪魔でも、ラベリング効果から見た際の事例です)
まとめ
介護職が悪く言われやすい原因は、次のような事が考えられる
- 一人一人「介護感」があるが、必ず正解というものが無いために、上司の介護感とズレやすい。
- 人手不足と高離職率の為に、一般企業のような徹底した教育がしにくい
- 教育不足の状態で仕事を続けるため、「できてない」と言われる
- 「できてない」と言われ続けることで、できないと思い込む(ラベリング効果)
この悪循環の結果、集団心理で悪口の「ターゲット」にされる可能性が高くなりかねないという訳です。
記事は私個人の見解と考察ですので、介護士が周囲から悪く言われやすい理由は、他にもあるはずです。
今回の内容はほんの一部かもしれませんが、高齢社会が進行していく以上、一般企業よりも徹底した教育で、介護業界は飛躍しないといけなくなります。
悪循環を断ち切って、ぜひ他の職種よりしっかりしているイメージをみんなで作っていきましょう!
そして、何より介護の専門家はあなたたちです!
他の職種に対して引目を感じることなく、自信を持って仕事をしていきましょう!
読んでいただきありがとうございます!
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